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 韓国の卓球NT(ナショナルチーム)は、直訳すると「国家代表常備軍」という名称になる。2012年度に選抜される「国家代表常備軍」の定員は、男女16名ずつの計32名。日本の男子NTは候補選手を含めて16名、女子NTは同18名なので、規模としてはほぼ同じだ。その「国家代表常備軍」のメンバー選考会、および世界選手権(団体戦)代表の最終選考会が、1月8日まで韓国・忠北提川体育館で行われた。
 今回の選考会では、男女とも上位8名が「国家代表常備軍」入りが確定し、男子1位と女子1・2位の選手が世界団体選手権(団体戦)ドルトムント大会の韓国代表に選出される。なお、すでにロンドン五輪の推薦出場枠を獲得している男子の朱世爀と呉尚垠、女子の金キョン娥と朴美英は、すでに「国家代表常備軍」と世界団体代表の両方に内定している。

 男子選考会で1位となったのは鄭栄植(大宇証券)。17勝1敗という抜群の成績で初の世界選手権・団体代表入りを決めた。続いて李廷佑(国軍体育部隊)と李尚洙(三星生命)が14勝4敗で並んだが、直接対決の勝敗で李廷佑が2位。4位には13勝5敗の徐賢徳(三星生命)が入っている。柳承敏(三星生命)は12勝6敗で5位に終わったが、代表常備軍には選ばれた。

 一方、「若手三銃士」の中でくっきり明暗を分けたのが20歳の金a鉐(KGC人参公社/旧KT&G)。10勝8敗で9位に沈み、自力で代表常備軍入りを決めることができなかった。実は所属チームであるKGC人参公社では、MBC最強戦(昨年12月)での呉尚垠の「無気力試合」を理由に、監督・コーチとエースの呉尚垠が突然解雇され、チームは内紛状態に陥っている。チーム最年少の金a鉐のプレーに影響が出てしまったのも、無理からぬところか。劉南奎監督は、協会推薦枠としてこの金a鉐と高校生の金東寅を代表常備軍にすくい上げている。

 女子は1位が石賀浄、2位が唐イェ序、3位が梁夏銀と大韓航空勢がトップ3を独占。帰化選手ふたりが15勝2敗、梁夏銀が13勝4敗だった。石賀浄は昨年、右肩の故障により国内外の大会で成績がふるわなかったが、「自分の実力を証明したかった。必ず1位を獲りたいという決意で臨んだ」とその心境を述べている。若手が次々に育っている男子に比べ、女子は梁夏銀以外には大化けしそうな選手は少ない。ロンドン五輪の女子団体3番手は、石賀浄と唐イェ序、このふたりのどちらかになりそうだ。

Photo上:並み居る先輩たちを連破し、世界団体代表に名を連ねた鄭栄植
Photo下:女子選考会で1位となった石賀浄
 大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。旧年中は年末の締めの挨拶もなく、誠に失礼しました。ますますスローペースになりつつある中国リポートですが、伝えるべきニュースは山積しております。2012年、一発目の話題は元世界チャンピオンの近況から。

 昨年12月、中国の海南日報にこんなタイトルのニュースが掲載された。「卓球の元世界チャンピオン・江加良、現在はゴルフに夢中」。
 オールドファンには言わずとしれた江加良(ジァン・ジァリアン)。85・87年世界選手権2連覇の名選手だ。87年世界選手権ニューデリー大会、体調不良で頬がげっそりと削げ落ちたワルドナーとの決勝は、今でも語りぐさになっている。現役引退後は卓球界から身を引き、実業家として建設関係のソフトウェアの会社を経営しながら、TVリポーターや解説者なども務めている。私生活では、女優の呉玉芳さんと結婚してふたりの娘さんに恵まれ、上の娘さんはアメリカの大学に留学中だという。

 そんな江加良が今最も熱中しているのがゴルフ。「最近はラケットを握ることはめったにないんだ。一番夢中なのはゴルフ、週に2〜3回はコースに出ているよ。上海近郊のゴルフ場はほとんど回ったと思う」(江加良)。47歳になった今も、その体つきは現役時代と変わらず、シャープなままだ。「これもゴルフのおかげなんだ。緑のあふれるコースに出て、気持ちの良い空気を吸って、とても良い気分になれる。交友関係も広がるしね」。
 卓球で培ったボールタッチとメンタルの強さを活かし、ベストスコアは「76」となかなかの腕前。4年前のベストスコアは「85」だったので、確実にレベルアップしている。ゴルフ好きのワルドナーとの異種競技対決はまだ実現していないが、ぜひ見てみたいものだ。

 ちなみに筆者、すっかり忘れておりましたが、ずいぶん前に同じようなニュースを伝えておりました(中国リポート2007/12/19『江加良、卓球よりゴルフに夢中』)。ワルドナーとの対決を望むくだりも全く同じ。4年経っても、あまり進歩していないということか…。

Photo上:85年世界選手権での江加良のプレー
Photo下:04年アテネ五輪でTVリポーターを務めた江加良。日焼けしているのは半分くらいゴルフ焼けか?
 12月10〜16日まで、山東省・臨沂(リンイー/りんぎ)市で「2011年全国青年選手権」が行われた。当初は10月30日〜11月6日に行われる予定だったこの大会。世界ジュニアなどの影響で2回も延期され、ようやく開催の運びとなった。
 中国各地から18歳以下の選手400余名が出場した「全国青年選手権」。意外にも今回が初開催だという。現在でもジュニア選手の選抜大会である「全国優秀青少年調賽」や、15歳以下の「全国少年選手権」、4年に1回開催される「全国城市運動会」などがあるが、さらに若手の育成に力を注ぐということか。ちなみに臨沂市は、かの三国時代の名軍師・諸葛亮(しょかつりょう)、著名な書家である王義之(おうぎし)や顔真卿(がんしんけい)を輩出した地。青年選手権の開催地には、いかにもふさわしいところだ。

 男女団体と男女シングルスの4種目が行われたこの大会。男子シングルスを制したのは馬特(マァ・テ/内蒙古自治区)。決勝で優勝候補筆頭の閻安(北京市)にストレート勝ちし、予想外の優勝を果たした。94年生まれの17歳で、09年5月にはすでに国家2軍チームの一員になっているカットマンだが、日本の卓球ファンにはあまりなじみがない名前かもしれない。まだカットの基礎レベルがやや低い印象があるが、長身で懐が深く、攻守兼備の朱世赫タイプのカットプレーを見せる。内蒙古自治区出身で国家チーム入りを果たしたのは、奇しくも同じスタイルの陳衛星(オーストリア)以来となる。

 女子シングルス優勝は朱雨玲(四川省)。決勝の相手は世界ジュニア決勝で敗れた陳夢(山東省)だったが、ゲームカウント2−0から2−2に追いつかれながらも、勝負どころで冷静なプレーを見せ、リベンジを果たした。来年は国際大会への出場も増えそうな朱雨玲と陳夢。劉詩ウェンと丁寧のようなライバル関係を築いていくかもしれない。また、ジュニア男子団体は層が厚い河北省、ジュニア女子団体は陳夢と顧玉ティンの2トップが強力な山東省が優勝している。

 この大会で1・2位に入った選手は国家2軍チームへの招集が発表されていたが、決勝に進んだ4名はいずれも国家チームのメンバーだった。ベスト16以上の男子選手は、12月24日から2月11日まで、江蘇省南通市の通州訓練基地で長期の集合訓練に入る。特に男子は、以前に比べるとやや層が薄くなってきた感がある中国。ジュニアクラスの実力の底上げを図る構えだ。

Photo上:激しい前陣攻撃の中にもクレバーな一面を見せる朱雨玲
Photo下:世界ジュニア4冠の陳夢は準優勝
 12月初旬、北京郊外で恒例の軍事訓練を1週間行った国家男女チーム。さらに王皓、馬琳、馬龍、許シン、張継科、ハオ帥ら国家男子チームの選抜選手11名は、9日から広東省深セン市で5日間の調整合宿。そして昨日14日に、冬期の集合訓練を行う福建省厦門(アモイ)市に入っている。

 深センでの調整合宿は体力トレーニングが主体。その舞台となったのは、超高層ビル「京基100」の中にある5つ星ホテル「セントレジス深セン」のエクササイズルーム。ビルを建設した京基集団の陳華CEOと劉国梁監督が旧知の仲ということで実現したようだが、軍事訓練の後に5つ星ホテルで合宿をやるとは、まさに「アメとムチ」。選手たちは合間にショッピングやゴルフも楽しんだということで、集合訓練の前に束の間の休息になったようだ。

 もっとも、ただ選手たちにアメをしゃぶらせておくほど、国家チームの首脳陣は甘くはない。出来たてホヤホヤの「京基100」は、高さ441.8m・地上98階と世界でも8番目の高さ。そこで体力トレーニングに組み込まれたのが恐怖の「爬楼訓練」、つまり「京基100」の非常階段を使った階段ダッシュである。コーチの「come on!」の号令の下、選手たちは最上階を目指して猛然とダッシュした。
 「11名の選手たちは、72階で非常階段が一旦途切れ、スタッフに道を尋ねて時間をロスしてしまった。事情を知らないスタッフは首を傾げたに違いない『なんでこの人たちはエレベーターを使わないんだ?』」(出典『南方都市報』)。

 11名の先陣を切ってトップでゴールしたのは意外にもハオ帥、記録は28分。その他のほとんどの選手も30分くらいでゴールしたという。選手たちはさっそく“微博(マイクロブログ)”で感想を述べている。「苦しいけど楽しかった、最上階からの眺めは最高!」(邱貽可)。どの選手も太ももがパンパンになったはずだが、集合訓練前の気分転換としても悪くないアイデア。100段ダッシュはざらにあるが、100階ダッシュとはさすがに国家男子チームだ。

Photo:並み居る世界王者たちを階段ダッシュで下したハオ帥
 12月2日、国家体育総局卓球・バドミントン管理センターの李振国副主任は、ロンドン五輪のエントリー候補選手10名(男子5名・女子5名)を発表した。
 すでに世界ランキングによる推薦出場者(王皓・張継科・李暁霞・郭炎)は決定しているのだから、「エントリー候補選手」などと持って回ったような言い方をしなくてもいいはずだが、「国家の代表は、常に国家が決定する」というのが中国の一貫した姿勢。推薦出場者を交替させることは考えにくいが、88年ソウル五輪に際して中国は、何智麗(当時世界ランキング1位)と戴麗麗を、陳静と李恵芬にエントリー変更している。「第二の何智麗」が現れないとも限らない。

 男子のエントリー候補5人は、王皓、張継科、馬龍、馬琳、許シン。国家男子チームが09年に発表した八大主力選手から、陳杞とハオ帥の両サウスポーが脱落し、そしてまたひとり脱落者が出た。世界選手権3回優勝の王励勤だ。
 「ノングルー時代を迎えてから、大力(王励勤)のプレーには目立った進化はない。同じプレースタイルの張継科、馬龍に比べても、王励勤は不利な立場に置かれている。王励勤と許シン、どちらを候補選手に入れるかということで、サウスポーでペンホルダーという特徴がある許シンを、2016年の五輪も見据えて候補選手とした」。候補選手の発表に際しての、劉国梁監督のコメントだ。

 候補選手の発表直後は「気持ちの準備はできていた」と言葉少なだった王励勤。五輪3大会に出場しながら、シングルスの金メダルはついに手にできなかった。「コーチ陣も彼の助けを必要としている。チームの兄貴分として、自らの経験を若い選手たちに伝えていってほしい。ぼくもかつては馬琳や劉国正を、そうやってサポートしてきたからね」(劉国梁)。劉国梁監督は王励勤に対し、今後も国家チームに残り、ゆくゆくは指導者としてチームを支えてほしいという考えを表明している。

 33歳のベテランの引退へのカウントダウンは、急に早まってしまったのか。ただし、交際相手と言われる女子アナウンサー・劉彦池との結婚は「2013年の全中国運動会が終わるまでは考えられない」と発言していることから、国内では2013年まで現役を続行する可能性が高い。候補選手が発表された翌日、若くして上海市卓球協会の副会長に選出された王励勤。元国際卓球連盟会長の徐寅生も、「自律と努力を長年積み重ねてきた彼は、若い選手にとっては他の誰にも代えがたい模範になるだろう」と賞賛している。

Photo:「将来のために大学での勉強もしっかりやりたい」と王励勤
 今月13日までフランス・パリで行われた男子ワールドカップ。決勝で王皓をゲームカウント0−2からの逆転で破り、張継科が初優勝。女子ワールドカップを制した丁寧に続き、男子でも現世界チャンピオンがワールドカップを制した。
 張継科と丁寧は、今日24日からイギリス・ロンドンで行われるITTFプロツアー・グランドファイナルに「3冠」獲得の期待がかかる。これまでに世界選手権・ワールドカップ・プロツアーファイナルの3大タイトルを制したのは、05年の張怡寧ひとりだけ。さらに張継科は来年のロンドン五輪に、4つ目のビッグタイトル獲得のチャンスを残している。

 その男子ワールドカップで中国のマスコミの話題をさらったのは、優勝を決めた直後にウェアを脱ぎ捨てた張継科の背中。「persistence」(粘り強さ・堅持)という英単語とともに、羽を広げた鷲(ワシ)の「文身」、つまりタトゥー(入れ墨)が入っていたのだ。ヨーロッパ選手ではメイス(デンマーク)やフィリモン(ルーマニア)など、タトゥーを入れる選手もいるが、アジアの選手、しかも厳格な規律を誇る中国国家チームの選手としては前代未聞だろう。

「ロッテルダム大会が終わってから、ずっと思っていた。自分は、何と言ったらいいんだろう…、ちょっとうぬぼれというか、得意気になりやすい所がある。これからも時に応じて、自分を叱咤激励し、戒めながら、より高い境地を目指していきたい。(タトゥーに)それ以上の意味はないよ(笑)」(張継科)
 北京の首都国際空港でマスコミの取材を受けた際の、張継科のコメントだ。中国の大手スポーツサイト『新浪体育』では、中国でタトゥーを入れる際の相場まで報道。必要な時間は4〜5時間、有名な店なら5000〜3000元(約6万〜3万6千円)とのこと。思ったよりリースナブルであるらしい。

 国家男子チームの劉国梁監督は、「常に自分を戒めたいという意気込みは買いたい。ただ、国家チームの一員、なかでも国家卓球チームの一員としては、タトゥーというやり方は問題があるな」とコメント。さすがに全面的に歓迎はしなかったが、その一方で「世代が違えばものの考え方も変わってくる。我々指導者も、選手たちを指導するやり方は時代に応じて変えていく必要がある」と一定の理解を示している。
 張継科をスパルタ教育で鍛えた父親の張傳銘さんは、テレビで初めてタトゥーを見て仰天したようだ。「あのタトゥーには元になった絵がある。自分も見たことがあるよ。だけど、9月に息子が青島に戻ってきた時には、まだタトゥーはなかったな」。

 「うぬぼれやすい性格を戒めたい」と言う張継科。タトゥーを入れる行為そのものが、うぬぼれやすい性格の産物としか思えないが…。ロッテルダム大会でウェアを破り、ワールドカップでタトゥーを披露した張継科。このままエスカレートしたら、ロンドン五輪で優勝したら何をやらかすか分からないが、あくまで上半身に留めておいてほしいものだ。

Photo上:ワールドカップでもやっぱり脱いでしまった張継科
(Photo by tischtennis.de)
Photo下:張継科よりちょっと緩い…、フィリモン(ルーマニア)の背中
 世界ジュニアの中国代表選手紹介、今度は女子編。全体的にやや伸び悩みの感もある男子に対し、女子は同世代のトップクラスを揃え、決勝までの3試合で1ゲームも落とさない強さを見せている。女子代表選手たちのプロフィールはこちら。

110 CHEN Meng 陳夢 チェン・ムン
山東省女子チーム所属/1994年1月15日生まれ
右シェーク両面裏ソフトドライブ型・世界ランキングなし
★主な戦績
2009世界ジュニアシングルス3位・ダブルス優勝
2010全中国選手権女子ダブルス2位

・目立った戦績こそないが、13歳で国家2軍チームに入り、そのポテンシャルは常に評価が高い選手。10月の全中国選手権では不調だったが、団体決勝のトップで郭炎とゲームオールの接戦を演じた。左右に振られても崩れないバランスの良さと天性の打球センスで、ここで一気に伸びれば十分世界も狙える。中国映画界のトップスター・黄暁明(ファン・シャオミン)の従兄弟(いとこ)ということでも有名。

111 ZHU Yuling 朱雨玲 ジュ・ユリン
四川省女子チーム所属/1995年1月10日生まれ
右シェーク両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング26位
★主な戦績
2010ジャパンオープン荻村杯2位
2010世界ジュニアシングルス・ダブルス優勝

・昨年の荻村杯で強豪を連破して決勝進出、一躍その名を世界に知らしめた選手。世界ジュニアでは男女を通じて史上初の2連覇を狙う。身体能力が高く、抜群のスイングスピードから繰り出すキレのあるフォアドライブが武器。昨年は団体決勝トップで石川に敗れているだけに、まずは団体でのタイトル奪還が至上命題となる。目標は小さい時から「五輪の金メダリストになること」

112 GU Yuting 顧玉ティン グ・ユティン
山東省女子チーム所属/1995年1月14日生まれ
左シェーク両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング66位
★主な戦績
2010ユース五輪金メダリスト
2011全中国選手権ダブルス3位

・昨年の世界ジュニアではシングルス2回戦で谷岡あゆか(日本)に敗れ、苦い記憶の残る大会となった。今シーズンの超級リーグでは内蒙古銀行に所属し、1勝4敗に終わったが、その対戦相手が凄い。劉詩ウェン、丁寧、李暁霞、郭躍、郭炎と世界ランキングのトップ5と対戦し、李暁霞をゲームオールで破った。サウスポーから繰り出すパワードライブはジュニアの域を越えているが、戦術の幅がどこまで広がっているか。

113 GU Ruochen 顧若辰 グ・ルオチェン
山東省女子チーム所属/1994年1月3日生まれ
右シェーク両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング105位
★主な戦績
2010全国優秀青少年大会優勝
2011ワールドジュニアサーキット香港オープン優勝

・今回の中国女子チームのもうひとりの「顧」、ふたり揃ってかなりボーイッシュなルックスの「假小子(お転婆)」。黒龍江省ハルピン市の出身で、幼くして名門クラブ・山東魯能の門を叩き、順調に実力を伸ばしてきた。今シーズンの超級リーグでは0勝5敗だったが、貴重な経験をしたはず。昨年の全国優秀青少年大会決勝で、朱雨玲をストレートで破って優勝しており、今大会もダークホースのひとり。

 世界ジュニア団体決勝は、男女とも中国対決。女子は日本時間の15日22時、男子は15日24時に試合開始だ。
世界ジュニア・卓球王国速報ページ↓
http://www.world-tt.com/report/20111113/WTTCJ2011.php

Photo上:スケールの大きい両ハンドドライブ型、陳夢
Photo中:強気のプレーながら、戦術面の細やかさも垣間見える朱雨玲
Photo下:前回大会の名誉挽回を期す顧玉ティン
 昨日13日にバーレーンの首都マナーマで開幕した第9回世界ジュニア選手権。果たして日本女子チームの2連覇はなるのか? 悲願の初優勝に挑む丹羽、石川の戦いぶりは?
 王国HPでは今年も速報ページで現地の最新ニュースをお届けするほか、来月21日発売の卓球王国2012年2月号では、大会の模様を詳細な報道ページでお伝えします、ご期待ください!
 中国リポートは今年も恒例の中国代表メンバー紹介。まず男子編から…。

★Volkswagen2011世界ジュニア選手権・中国男子代表メンバー

24 SONG Hongyuan 宋鴻遠 ソン・ホンユエン
山東省男子チーム所属/1993年1月29日生まれ
左シェーク両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング104位
★主な戦績
2010世界ジュニア団体・シングルス優勝
2011プロツアー・韓国オープンダブルス優勝

・なんと世界ジュニアはこれが4大会連続の出場。世界ジュニアで獲得したタイトル数7つは史上最多で、今大会でさらに記録を伸ばせば、ちょっとやそっとでは抜けない記録になるだろう。年齢的には今回が最後の大会、さらに上を目指す本人にとっては、必ずしも有終の美とは言えない気がするが…。

25 LIN Gaoyuan 林高遠 リン・ガオユエン
広東省男子チーム所属/1995年3月19日生まれ
左シェーク両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング51位
★主な戦績
2010世界ジュニア団体優勝・シングルス準優勝
2011プロツアー・韓国オープン3位

・こちらも世界ジュニアは3大会目の出場となる「老青年」。プロツアーで一定の成績を残し、今年は世界ランキングを100位以上も上げたが、全中国選手権では侯英超に敗れてベスト32止まりだった。中国選手としてはやや打球点が遅く、回転量重視のプレースタイル。

26 ZHENG Peifeng 鄭培峰 ジョン・ペイフォン
福建省男子チーム所属/1996年3月28日生まれ
右ペンホルダー両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング186位
★主な戦績
2009全国優秀青少年大会3位
2010ワールドジュニアサーキット香港・太原・成都大会優勝

・同じ右ペンドライブ型の范勝鵬(河北省チーム)からのエントリー変更で代表に名を連ねた。福建省晋江市の決して裕福ではない家の育ちだが、卓球好きの父親に鍛えられ、馬琳や孔令輝のビデオを毎日見ながら、大きな鏡の前で素振りを続けたという。福建省男子チームの郭躍華監督も期待を寄せる存在だ。

27 WU Jiaji 呉家驥 ウ・ジアジィ
遼寧省男子チーム所属/1995年1月16日生まれ
右ペンホルダー両面裏ソフトドライブ型・世界ランキング102位
★主な戦績
2009・2010全国優秀青少年大会優勝
2011アジアジュニア選手権3位

・「王皓2世」と呼ばれる右ペンドライブ型の期待の星。今年7月のジャパンオープンでは張一博(東京アート)を破ったが、カットの劉イとの同士討ちに敗れた。その将来性をアピールするには、今大会できっちり結果を残し、世界ジュニアから卒業したいところ。どうでもいいことですが、同じ遼寧省出身の李暁霞と誕生日が同じで、撫順市時代のコーチは曲暁霞という名前だったそうです。

すでに大会は開幕しておりますが、その2[女子編]に続きます。世界ジュニアの王国速報ページはこちら↓
http://www.world-tt.com/report/20111113/WTTCJ2011.php

Photo上:世界ジュニアの金メダルコレクター、宋鴻遠
Photo中:細身の林高遠は、パワー不足が課題
Photo下:「王皓2世」呉家驥は初優勝を狙う
 10月19〜23日にストックホルムで行われた伝統のスウェーデンオープン。男子シングルスで優勝を飾ったのは世界ランキング1位の馬龍だ。6試合で1ゲームも落とさない完璧な内容で、今季のプロツアー最終戦を締めくくった。
 これで馬龍は中国(蘇州)オープン、オーストリアオープン、スウェーデンオープンとプロツアー3連勝。さらにアジアカップと全中国選手権でも優勝し、2カ月で5つの大会を制したことになる。一発の強打の威力は健在だが、相手の待ちを外し、長所を封じる冷静な試合運びを見せるようになった。豊富な経験とダブルスでの強さで、ロンドン五輪の団体3番手争いをリードしていた馬琳に追いつき、追い越しそうな勢いだ。

 選手には徹底的に辛口なことで知られる劉国梁監督も、この快刀乱麻の活躍ぶりには「龍仔(馬龍)は相変わらず絶好調。その充実ぶり、試合でのファイトはすばらしいね!」と微博(マイクロブログ)で賞賛。一方、スウェーデンオープン1回戦でQ.ロビノ(フランス)に敗れ、中国オープン1回戦でのリヴェンツォフ(ロシア)戦に続いて外国勢に金星を献上してしまった馬琳に対しては、「馬琳は我々のチームの『外戦専家』なのに、どうしてここ2大会では『琳一輪』になってしまったんだ?」と相変わらず手厳しい。『外戦専家』は対外的に最も強い選手を指し、『琳一輪』は…、「ミスター1回戦」というところか。

 国家男子チームはスウェーデンオープンに続き、11月3〜6日のワールドチームカップ(ドイツ・マグデブルグ)、11月11〜13日の男子ワールドカップ(フランス・パリ)と続く欧州遠征の真っ最中。ワールドチームカップには馬龍・王皓・張継科・馬琳・許シンというフルメンバーで参戦し、男子ワールドカップには王皓と張継科がエントリーされている。五輪出場を目指す「二馬」にとっては、ワールドチームカップが大きな試練になりそうだ。

 ちなみに中国では、NBA(米プロバスケットボール)のユタ・ジャズで活躍したカール・マローンも、漢字で「馬龍」と表記します。豆知識、いや米知識ぐらいでしょうか…。

Photo:ロッテルダム大会の表彰式で、笑顔を見せる馬龍
 江西省南昌市で行われた第7回全国城市運動会・卓球競技は、10月24日に最終日の男子シングルス決勝・女子ダブルス決勝が行われ、個人戦5種目のチャンピオンが決定した。上位の記録は以下のとおり。

★男子シングルス準々決勝
方博(青島市) 3、−10、10、−8、4、9 劉イ(保定市)
許鋭鋒(成都市) 8、−1、7、−6、9、−8、6 陳㬢(厦門市)
林高遠(広州市) 4、7、6、6 范勝鵬(保定市)
周雨(鄭州市) −6、4、−8、9、5、−10、9 ジャイ超(保定市)
★準決勝
方博 9、8、15、8 許鋭鋒
周雨 −8、5、−5、3、7、6 林高遠
★決勝
方博 6、−6、−5、9、9、12 周雨

☆女子シングルス準々決勝
熊欣芸(南寧市) 8、−7、−3、9、9、9 趙岩(連雲港市)
朱雨玲(成都市) 8、−10、6、8、6 陳夢(青島市)
易芳賢(武漢市) −9、8、−5、9、9、9 顧玉ティン(青島市)
武楊(大同市) 7、7、5、6 盛丹丹(北京東城)
☆準決勝
朱雨玲 8、−8、−7、8、−6、4、5 熊欣芸
武楊 8、8、−9、7、9 易芳賢
☆決勝
武楊 −8、8、9、−11、5、6 朱雨玲

★男子ダブルス決勝
ジャイ超/程靖チィ(保定市) −8、−4、3、7、3、1 陶文章/孔令軒(青島市)
☆女子ダブルス決勝
盛丹丹/李天一(北京東城) 9、5、−6、6、15 施暁雨/ジン(革+斤)亜楠(大同市)
●混合ダブルス決勝
許鋭鋒/朱雨玲(成都市) 8、5、9、−10、−8、4 呉家驥/李佳イ(大連市)

 男子シングルス優勝の方博は、09年世界ジュニア選手権の4冠王。ジュニアでの成績は申し分ないが、一般クラスでの実績は、ロッテルダム大会代表に選ばれた1歳年下の閻安に先行を許している。閻安はこの大会には出場せず、スウェーデンオープンに出場し、王励勤と組んだ男子ダブルスで優勝した。
 男子シングルス決勝で勝利した後、苦戦への苛立ちからか、フェンスを蹴り倒して審判にイエローカードを出された方博。2013年世界選手権(個人戦)までには、中国代表に定着しておきたいところだが……。

 女子シングルス決勝は09年世界ジュニア優勝の武楊と、10年世界ジュニア優勝の朱雨玲が激突。ゲーム終盤で朱雨玲に強打のミスが連続し、武楊がタイトルをつかんだ。武楊は結果的に、ゲームオールにもつれた1回戦の張薔(連雲港市/右ペンドライブ型)戦が最大の難関となった。

 馬龍、郭躍、李暁霞、丁寧、劉詩ウェンらが顔を揃えた前回大会に比べ、かなりレベルダウンした今回の城市運動会。かつては若手の登龍門として貴重な大会だったが、プロツアーや世界ジュニア選手権、ワールドジュニアサーキットなど国際大会の数が増え、存在意義は以前ほどではなくなっている。劉詩ウェンや閻安が今大会を棄権し、スウェーデンオープンに出場。上位を占めたのはジュニア代表の殻をなかなか破れない「ベテランジュニア選手」たちだった。
 次回の第8回大会は、2015年に福建省で開催される。

Photo上:そろそろプロツアーでも結果を残したい方博
Photo中:一発の強打はワールドクラスの周雨
Photo下:カットの武楊は驚異の守備範囲。プレー中はちょっと怖いです…
(写真は上から09年世界ジュニア・10年世界ジュニア・11年世界選手権)
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